インタラクティブノードの/localの利用
ABCIのインタラクティブノードでは、ローカルスクラッチ領域として、/localが利用可能です。 グループ毎に/local/groups/{ABCIグループ名}というディレクトリが作成されているので、利用者は所属するグループのディレクトリ以下に、適宜ディレクトリやファイルを作成して利用することが出来ます。
Note
/localはインタラクティブノード毎に存在し、インタラクティブノード間(login1〜login5)、および計算ノードと共有されておりませんのでご注意ください。
/localの構造
/localには、ユーザ領域(グループ用ディレクトリ)の他に、システムで使用する領域があり、それぞれ以下の様になっています。
| パス | 区分 | 用途 |
|---|---|---|
| /local/groups | ユーザ領域 | グループ用ディレクトリ |
| /local/pcc.groups | システム領域 | LPCC用ディレクトリ(LPCC: Hierarchical Persistent Client Caching for Lustre) |
グループ用ディレクトリは/local/groupsの下に作成されます。
グループディレクトリ
各グループディレクトリは、/local/groupsの下に作成され、所有者はroot、グループはグループID、パーミッションは02770(rwxrws---)に設定されています。 例えば、グループgaa50000のグループディレクトリは、/local/groups/gaa50000です。
[username@login1 ~]$ ls -ld /local/groups/gaa50000
drwxrws--- 5 root gaa50000 4096 Dec 15 2025 /local/groups/gaa50000
パーミッションにset-group-IDが設定されているので、グループディレクトリに新規作成されるファイルのグループIDは、親ディレクトリのグループIDを継承します。
使用制限(クォータ)
各グループディレクトリには、無制限の使用を防止する為、XFSのプロジェクト・クォータが掛けられています。
| 種類 | 制限値 | 説明 |
|---|---|---|
| bhard | 1TB | 使用可能ブロック数のハード制限。ユーザは制限値を超えるブロックを使用出来ません。 |
| bsoft | なし | 使用可能ブロック数のソフト制限。ユーザは制限値を超えるブロックを一時的に使用出来ます。 |
| ihard | なし | 使用可能inode数のハード制限。ユーザは制限値を超えるinode数を使用出来ません。 |
| isoft | なし | 使用可能inode数のソフト制限。ユーザは制限値を超えるinode数を一時的に使用出来ます。 |
bhard制限により、各グループディレクトリに存在するファイルの総使用量が1TBを超えることは出来ません。 超過すると、ENOSPCエラー(No space left on device (POSIX.1-2001))が発生します。
bhard制限に引っかからない様、利用してください。 もしbhard制限に引っ掛かった場合は、古いファイルや不要なファイルを削除してください。
使用量の確認方法
duコマンドを使用して、グループディレクトリの使用量を確認してください。
例:
[username@login1 ~]$ du -sk /local/groups/gaa50000
自動ファイル削除
/localの使用量を適正化する為、/localの使用率を定期的に監視し、閾値を超えたら古いファイルを削除します。
現状、毎時0分に/localの使用率を取得し、75%より大きい場合は、アクセス日時が7日より古いファイルを全て削除します。
Note
削除中に使用率が一定以下に下がっても、途中で削除を止めることはありません。 その代わり、使用率が75%を超えない限り、古いファイルが削除されることはありません。
ファイルのアクセス日時の確認方法
ファイルのアクセス日時は、以下の方法で確認することが出来ます。
(1) statを使う方法
$ stat ファイル名
例:
[username@login1 gaa50000]$ stat sample.txt
File: sample.txt
Size: 0 Blocks: 0 IO Block: 4194304 regular empty file
Device: 84f0b5a2h/2230367650d Inode: 270216711578435798 Links: 1
Access: (0640/-rw-r-----) Uid: (10000/username) Gid: (50000/gaa50000)
Access: 2025-12-15 15:14:46.000000000 +0900
Modify: 2025-12-15 15:14:29.000000000 +0900
Change: 2025-12-15 15:14:40.000000000 +0900
Birth: 2025-12-15 15:10:15.000000000 +0900
Access:行がアクセス日時です。
(2) lsを使う方法
$ ls -l -u ファイル名
-uオプションを指定することで、更新日時ではなく、アクセス日時が表示されます。
例: アクセス日時を表示する。
[username@login1 gaa50000]$ ls -l -u sample.txt
-rw-r----- 1 username gaa50000 0 Dec 15 15:14 sample.txt
参考: 更新日時を表示する。
[username@login1 gaa50000]$ ls -l sample.txt
-rw-r----- 1 username gaa50000 0 Dec 15 15:14 sample.txt
上記の例ではアクセス日時と更新日時の違いが分かりませんが、その場合は--full-timeオプションを指定すると完全な日時が表示され、区別可能になります。
例: 完全なアクセス日時を表示する。
[username@login1 gaa50000]$ ls -l -u --full-time sample.txt
-rw-r----- 1 username gaa50000 0 2025-12-15 15:14:46.000000000 +0900 sample.txt
参考: 完全な更新日時を表示する。
[username@login1 gaa50000]$ ls -l --full-time sample.txt
-rw-r----- 1 username gaa50000 0 2025-12-15 15:14:29.000000000 +0900 sample.txt