JupyterLabにPython仮想環境を追加する方法
ABCIのJupyterLabでは、自身で作成したPython仮想環境をカーネルとして追加・削除することが可能です。追加したPython仮想環境はLauncher画面から選択可能です。
ここではOpen OnDemand(OOD)のJupyterLabにPython仮想環境を追加する方法を示します。
JupyterLabの起動
OODにログインし、Interactive Apps:Jupyter(Normal)を実行します。
ジョブを投入します。
ジョブが開始したら、「Connect to Jupyter」ボタンを押下します。
ブラウザの新しいタブにJupyterLabが表示されます。
JupyterLabのLauncher画面にPython仮想環境を追加
例としてPython仮想環境「work」を作成し、仮想環境「work」に「numpy」をインストールします。
JupyterLabのLauncher画面より、「Other」-> 「Terminal」を起動します。
Note
もしLauncher画面が初期表示されない場合は、[File] - [New Launcher]から起動してください。
「Terminal」より以下のように実行し、仮想環境「work」を作成します。
Python仮想環境を作成します。
$ python3 -m venv work
$ source work/bin/activate
(work) $ pip install --upgrade pip
Note
カレントディレクトリに「work」ディレクトリが作成され、「work」ディレクトリ配下に仮想環境が構築されます。
作成した仮想環境にipykernelをインストールし、JupyterLabのLauncher画面に表示されるように設定します。
(work) $ python3 -m pip install ipykernel
(work) $ python3 -m ipykernel install --user --name=work --display-name="Python 3 (work)"
作成した仮想環境「work」に「numpy」パッケージをインストールします。
(work) $ pip install numpy==2.2.2
ブラウザのJupyterLabのタブをリロードすると、作成した仮想環境「work」がLauncher画面に表示されます。
以下は、Python3 (ipykernel)でのnumpyプログラムの実行例です。
「Notebook」->「Python3 (ipykernel)」をクリックしNotebookを開きます。 Notebookを開いたあと次のPythonプログラムを入力してください。
# numpyライブラリをインポート
import numpy as np
# 整数型の配列を用意
arr_int32 = np.array([100, 200, 300, 400, 500], dtype=np.int32)
print(arr_int32)
# 浮動小数点数型の配列を用意
arr_float = np.array([0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5], dtype=np.float64)
print(arr_float)
# 配列同士の計算を + で表現できます
arr_sum = arr_int32 + arr_float
print(arr_sum)
Shift + Enterでプログラムを実行します。ただし、Python3 (ipykernel)環境ではnumpyをインストールしていないためエラーになります。
次に、作成した仮想環境Python3 (work)でプログラムを実行します。
Launcher画面から今度は「Notebook」->「Python3 (work)」をクリックします。 Notebookを開いたあと先ほどのプログラムを入力してください。
Shift + Enterでプログラムを実行後、Python3 (work)環境にはnumpyをインストールしているのでプログラムが正しく実行されます。
JupyterLabのLauncher画面からPython仮想環境を削除
JupyterLabのLauncher画面からPython仮想環境を削除するには、以下のコマンドを実行することで削除できます。
jupyter kernelspec uninstall 仮想環境名
「Terminal」より以下のように実行し、仮想環境「work」を削除します。
$ jupyter kernelspec uninstall work
Note
仮想環境一覧を表示するには以下のコマンドを使用します。
$ jupyter kernelspec list
ブラウザのJupyterLabのタブをリロードすると仮想環境「work」がLauncher画面から削除されています。
Python仮想環境を削除
「Python仮想環境を作成」で作成されたディレクトリを削除すると、完全に削除することができます。